福岡・広島の中小企業の経営幹部・管理職の人材育成・社員研修をおこなうヒトサクラボのブログ(2019年5月)

【684】中小企業の社長や経営者の仕事とは

 

コンサルティング先のとある会社の

後継者から

「社長や経営者の仕事とは

 どのようなものですか?」

という質問がありました。

 

私自身いろんな経営者とお付き合いしていますが、

経営者によって、仕事の内容は様々というのが正直な感想です。

 

営業の最前線で営業を一生懸命頑張ってる社長もいれば、

現場で、ものづくりをしたり商品開発をしている社長もいらっしゃいます。

 

 

社長・経営者の仕事を分けて考えてみると

次のようなものがあると思います。

 

 

(1)思考・判断系

 ・会社の将来、組織・人の「これから」を考える

 ・会社のお金・数字(損益見通し・投資・資金繰り・資金調達)を考える

 ・会社の仕組みや制度を考える

 ・稟議書や提案を判断する

 

(2)対人系(社内・社外)

 ・社外の人と面会する(商談・会合など)

 ・社内の会議などに参加する

 ・社員に指示・面談する

 ・社員を育成する

 

(3)現場観察系

 ・現場を見たり、現場応援したり、営業同行し

  情報収集や気づきを得る

 

(4)学び・発見・開発系

 ・社外の視察や交流、セミナーなどで学び・発見する

 ・自社商品・サービスを開発する

 

(5)実務系

 ・自ら現場で営業・接客、仕入、製造など売上・利益貢献する

 ・書類やメール作成などの事務作業をおこなう

 ・経営分析・経理業務・給与計算などの経営管理的な業務をおこなう

 

改めて書き出すと、会社の規模、業界によって

社長・経営者という肩書きでもずいぶんおこなっている仕事は異なり、

(1)から(5)のバランスを本人なりにバランスをとりながら

社長・経営者は仕事をしているのだと思います。

 

「社長・経営者が何に時間を使っているか、何を考えているか」が

経営戦略につながっていくとセミナーやコンサルティングでお伝えしています。

 

経営者・後継者の方はは改めて自分の仕事を上記に当てはめて

・(1)~(5)のバランスが適正なのか?

・他にやるべき仕事はないのか?

・任せた方がいい仕事、やめるべき仕事はないのか?

と考えてみるのもよいことかも知れません。

 

 


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【683】中小企業におけるSWOT分析の落とし穴(デメリット)

 中小企業の環境分析・戦略策定において、

必ず登場する「SWOT分析」。

 

企業内部の強み・弱み

企業外部の機会・脅威

の4つ分けて、企業の環境分析をおこない、

戦略策定に活用するツールです。

 

中期経営計画・経営改善計画などにも

SWOT分析で会社の分析をおこなっている

資料を見ることがあります。

 

 

しかし、SWOT分析の考え方を理解できていても、

実際に使いこなすのは意外に難しいものです。

 

 

SWOT分析を使いこなすのが難しいことを

教えてくれる1冊があります。

 

それは山田英夫氏が書いた

「ビジネス・フレームワークの落とし穴」 

です。

 

 

本書は、SWOT分析に限らず、PEST分析・

ポジショニングなどのフレームワークを使うときの

まさに「落とし穴」について書かれています。

  

 

そこでは、SWOT分析の落とし穴を

次のように記してます

 

 

「やりたい人の主観を、客観的に見せるための

 フレームワーク」

 

 

これを聞いて、「?」と思った方も

多いんじゃないでしょうか。

 

 

SWOT分析は、分析というくらいだから

客観的な答が出るんじゃないの?

という見方を持っていらっしゃる方が

多いかも知れません。

 

 

しかし、私自身、SWOT分析は、

いくら客観的に分析しようと思っても

「やりたい人の主観を、客観的に見せるための

 フレームワーク」になってしまうものだ

と思っています。

 

 

それは、既に頭にある答え

(その人が考えている戦略)を元に、

社内のこと、社内のことを

「強み・弱み・機会・脅威」に

振り分けていることが散見されるからです。

 

SWOT分析ならぬSWOT整理

とも言えるかも知れません。

 

  

例えば、

 

「様々な種類の機械がある」

 

という事実があります。

 

 

SWOT分析する前にある人が考えている経営戦略に

この様々な種類の機械を有効活用することを考えているなら、

強みに、「自社に多種多様な機械がある」と

記載されることになります。

 

一方で、機械が活用されてない現実を指摘し

設備売却をおこなう方向性であるなら、

弱みに、「自社に顧客ニーズに合わない機械が多くある」と

記載されることになります。

 

 

実際、私自身、過去にクライアントや他のコンサルタントと

SWOT分析をおこなうときに、こういう経験に何度となく

陥ってしまいました。

 

 

SWOT分析で「事実」を記載したと思っていても

個人の「意見」(その人が考えている戦略や論理の前提)が

つい乗ってしまうのです。

 

 

本書でも、

「強みは弱み、機会は脅威と裏腹」

と指摘しています。

 

 

そういう落とし穴があるということを

踏まえるとSWOT分析は

「やりたい人の主観を、客観的に見せるための

 フレームワーク」になってしまう

という危険性があります。

 

 

そこで、当社ではSWOT分析をほとんど使いません。

 

 

SWOT分析を使ったとしても、さらっと程度で、

むしろ3C分析や以下のコラムにあるように、

「強み」と思われることを3つに分けて整理して、

今後の戦略を考えることにしています。

 

 

SWOT分析を中小企業の環境分析・戦略策定の

定番ツールと思わず、1つの道具として

SWOT分析の落とし穴を理解しながら、

活用することをオススメします。

 

 

 

 

■中小企業のSWOT分析に関する関連コラム・ブログ


【682】中小企業の仕組みづくりには、青信号・黄色信号・赤信号の数値管理を考える

 

当社でおこなっている仕組みづくりでは、

数値管理のお手伝いをしています。

 

 

数値管理というと

 

・売上を○○円まで引き上げる

・原価率を○○%まで引き下げる

 

目指すべき数値、目標数値という

イメージがあると思います。

 

 

そういう目標にすると、

部署によっては無理矢理、目標数値を

設定することになりがちです。

 

 

しかし、数値管理は数値目標の設定

だけではありません。

 

 

管理すべき数値が安定していることも

重要です。

 

 

例えば、人で言うと体温が平熱であることが

重要ですが、目標数値になるということは

あまり聞きません。

 

むしろ、体重とか体脂肪とかなどが目標数値

になります。

 

しかし、高熱になれば、体温はすぐに問題になります。

 

会社でも、売上目標だけでなく、在庫数などが

どのぐらいに水準にあることが適正なのかという

・青信号(OKレベル)

・黄色信号(注意レベル)

・赤信号(危険レベル)

ということを設定していないケースが

あります。

 

数値目標中心の会社であれば、

特に疎かになりがちです。

 

数値管理では

・目標数値の設定と努力

のほか

・重要指標の青信号・黄色信号・赤信号の設定・管理

をしておくことが会社運営を平常に

保つということにも繋がります。


【681】中小企業の管理職・次世代リーダーは今日・明日だけでなく1週間先、今月・来月、その先を考える

 

管理職・次世代リーダーの育成をおこなっている中で

業界問わず、

・今日・明日を考えるスタンスから、

・1週間先

・今月・来月

・半年

・今年

など長い時間軸をいくつも持ちながら、

考えるように意識させ、研修しています。

 

 

 

現場での業務に携わると、当然ですが

今日・明日の

・売上目標

・顧客対応

・納期管理

・トラブル対応

などに意識が向いてしまいます。

 

 

しかし、今日・明日の事ばかり

対応していても、会社が成長しない

ことがあります。

 

 

ひょっとしたら、早めに1週間先や今月・来月の

対応していたら、今日・明日のバタバタがなかった

かも知れません。

 

 

7つの習慣でも次のようなことが書かれています。

 

ーーー

森の中で木を倒そうと、一生懸命ノコギリをひいているきこりに出会ったとしよう。

「何をしているんですか」とあなたは訊く。

すると「見れば分かるだろう」と、無愛想な返事が返ってくる。「この木を倒そうとしているんだ」

「すごく疲れているようですが...。いつからやっているんですか」あなたは大声で尋ねる。

「かれこれもう五時間だ。くたくださ。大変な作業だよ」

「それじゃ、少し休んで、ついでにそのノコギリの刃を研いだらどうですか。

そうすれば仕事がもっと早く片付くと思いますけど」あなたはアドバイスをする。

「刃を研いでいる暇なんてないさ。切るだけで精一杯だ」と強く言い返す。

ーーー

 

経営幹部・管理職になる方は、

少し先の未来を見る力を少しずつ

つけていく必要があると考え、

研修だけでなく、目の前の業務改善を

一緒に考え、少しでも先のことを考えてもらう

ようにお伝えしています。

 

 


【680】仕事のゴールを、いつもベータ(β)版で考える

 

前回、仕事でゴール(目標)が大きすぎる場合は、

中間ゴールを設定するということをお伝えしました。

 

 

仕事のゴールが大きすぎたり、

見えにくかったりすると、

通常業務の忙しさと相まって

手がつけられない状態になります。

 

 

そこで中間ゴールの設定

をオススメしました。 

 

 

こちらのブログです。

 

 

その考え方と似て非なる、考え方として

ソフト開発やアプリ開発で言われる

ベータ(β)版という考え方があります。

 

 

ベータ(β)版(BETA)とは、そもそも

ソフトウェアの正式版(製品版)を発売・

配布する前に試用のために提供される、

開発途上のテスト版のことです。

 

ベータ版を実際に使ってみて不具合や

不適切な箇所がないか利用者に評価して

もらいます。

 

詳しくはこちら

 

 

中には、正式版ということを意識せず

「常にベータ版」という考え方で

常に機能追加したり、改善したり、見直したり

するということもあります。

 

 

私はIT業界にいたので、ベータ版や

バージョンアップなどの考え方に

馴染んでいる方ですが、業界が違うと、

違和感がある方もいらっしゃいます。

 

 

ゴールは最初から明確に具体的に

設定するべきだという考え方です。

もちろんそれも正しい考え方です。

 

しかし、それにこだわっていると、

なかなか前に進めなかったりすることも

よく見受けられます。

 

 

ベータ版の考え方は、紆余曲折を

繰り返しながら前進していくので、

遠回りだという印象もあるかも知れません。

 

しかし動いてみて、初めて分かることもあります。

 

 

前回のブログも含めて、

ゴール設定にはいろんな考え方があります。

 

自分に馴染みのない考え方も受け入れ、

やってみることも時には必要だと思います。

 


【679】仕事でゴール(目標)が大きすぎる場合は、中間ゴールを設定する

 

 

中小企業の経営幹部・管理職育成をおこなっている中で、

今までやったことがない仕事・プロジェクトを進める

難しさを改めて感じることがあります。

 

 

一般社員の場合は、決められた業務、

いわゆる、定型業務をおこなうことが中心です。

一方、ステップアップして管理職・経営幹部になると

非定型業務をおこなうことが中心になってきます。

 

 

例えば、新規事業の立ち上げや、

原価低減など新規プロジェクトなどです。

 

 

それは、これまで自分自身、会社も

経験したことがないため、自分なりに

試行錯誤しながら、ゴールに向かうこと

が重要になります。

 

 

その時にゴールが大きすぎたり、

見えにくかったりすると、

通常業務の忙しさと相まって

手がつけられない状態になります。

 

 

そこでオススメするのが、

中間ゴールの設定です。

 

 

最終ゴールに到達するために、

途中のゴール、中間ゴールを設定してみるのです。

 

 

その中間ゴールの設定の考え方には、2つあります。

 

 

(1)最終ゴールに向けた行程の途中をゴールとする

 例えば、山登りでいうと、頂上の前の3合目・5合目

 

(2)最終ゴールの前に、別のゴールを設定する

 同じく山登りでいうと、富士山登山の前に、別の山に登ってみる

 

 

通常は(1)で中間ゴールを設定することがありますが、

時には(2)でもよいケースがあります。

 

 

それは、非定型業務の新規事業や新規プロジェクトの場合、

・一度決めたゴールが変わるケースもあり、

・また別のゴールでも実はOKだったというケースもあります。

 

 

ゴールがを決めていたとしても、実行に移しながら現実を見て、

ゴール設定し直すという場合もあるのです。

 

 

山登りでも、

「最短距離が最も早く行ける道とはかぎらない」

といわれるそうです。

 

それは、最短であっても道のりが険しく

体力的に厳しい行程である場合もあるからです。

 

 

最終ゴールだけ見ていたら、時間や手間がかかるケースもあり、

結局進んでいないこともあります。

 

 

一歩でも進めば景色が変わります。

景色が変われば、見方も変わるので、

結果的に最終ゴールに届きやすくなります。

 

 

時には中間ゴールを本来目標をちょっと違うところに

設定してみて、進んだ景色を見てみるということも

大事になのかも知れません。

 

その時に、中間ゴールを分けて考えるスキルが重要になります。

以下のコラムも参考になると思います。

 

「分ける」ことで仕事力を上げる関連コラム

分けると全体が見えてくる!分割して考え行動する「分ける」仕事術とは?

分けて考えるメリット・効果とは?仕事のプロセスを分けて考えてみよう

仕事ができる人の特徴とは?15個の特徴と仕事ができる人が大切にしている考え方とは?



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【678】見える化した後、次のアクションを考えることが大切

 

 

「見える化」とは、会社の数値や状態を

パッと見てすぐに、分かりやすく取り組みです。

 

 

・経営数値であったり、

・業務の進捗状況であったり、

・職場の様子など

様々な場面で見える化していきます。

 

 

大手企業ではじまった取り組みですが、

中小企業でも広がりつつあります。

 

 

見える化の取り組みは

 

まずは、見えなかったものを見えるようにすること

 

です。

 

 

これまでおこなった仕組み作りとしては

・部門別、カテゴリ別の損益

・在庫推移

・不良率

・工程進捗

など、クライアント先に必要な見える化を

おこなってきました。

 

 

この取り組みをしながら、管理職をはじめとした

社員の意識が変わることがあります。

 

 

その意識変革で、行動に変化が表れたら、

言うことはありません。

 

 

しかし、中には「見える化」しただけで、

行動が生まれないケースもあります。

 

 

大切なことは

「見える化」は「手段」であって、

「目的」ではありません。

 

 

目的は、

・社員の意識を変え、行動を変え

・会社としての成果を生み出す

ということです。

 

 

そこで、見える化したデータをもとに、

何をしていくのかを考えることが、

会社の成果とともに、社員育成にも繋がっていきます。

 

その時に、取り得るべき行動を分けて考えることが重要になります。

 

分けて考えるコツは以下のコラムにも掲載しています。

 

 

 

「分ける」ことで仕事力を上げる関連コラム

分けると全体が見えてくる!分割して考え行動する「分ける」仕事術とは?

分けて考えるメリット・効果とは?仕事のプロセスを分けて考えてみよう

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