ロジカルシンキング(論理的思考)研修より前に、習得すべき必要な「分ける」スキル

ロジカルシンキングのイメージ

研修人気ランキング上位のロジカルシンキング(論理的思考)研修

上司から、仕事の場面で

・論理的に話すように心掛けるように

・筋道が整った資料を作るように

などと上司からアドバイス・指示されたことはありませんか?

 

私自身、会社員時代に上記の様なことがきっかけでロジカルシンキング(論理的思考力)を勉強し始めました。

 

私自身の話は20年以上前の出来事ですが、ロジカルシンキングは今ではビジネスパーソンの重要な基礎力とされ、多くの研修会社でも、研修人気ランキング上位にロジカルシンキング研修がランクインされており、ビジネスにおいて重要かつ必須スキルとなっております。

 

では、ロジカルシンキングがなぜ人気なのでしょうか?

 

ロジカルシンキングが理由と、ロジカルシンキングを学ぶ前に習得すべきスキルをご紹介します。

 

 


ロジカルシンキング(論理的思考)はなぜ人気?

先程、私がロジカルシンキングを学んだきっかけについてお伝えしました。ロジカルシンキング研修が人気の理由として、ビジネスシーンでロジカルシンキングが必要な仕事の場面は大きく2つが挙げられます。

 

それは私の実体験にあったような

(1)誰かに説明・説得・提案する場面(コミュニケーション)

 

そして

(2)何かの問題を解決する場面(問題解決)

 

です。

 

この2つはどの企業・組織でもある程度のポジションになれば求められる必須の能力であるからこそ、ロジカルシンキングは会社から上司から求められるビジネススキルと言えます。 

 

では、どのようにロジカルシンキングのスキルを学ぶかといえば、ロジカルシンキング(論理的思考力)の研修や書籍では、

  • MECE(もれなく・だぶりなく)
  • ロジックツリー(樹形図)

などの考え方やツールを学びます。

 

これらの研修内容を通じてロジカルシンキング(論理的思考力)の重要性(大切さ)・必要性を理解して、実務で実践できる方もいらっしゃれば、その一方で残念ながら、ロジカルシンキングがなかなか身につかず、ロジカルシンキングが苦手・できない・仕事に活かせないという方もいらっしゃいます。

 

研修を受けても、ロジカルシンキング(論理的思考)が仕事に活かせないのは?

ロジカルシンキングが身に付かないイメージ

 

私自身、中小企業のクライアント様で幹部人材育成・社員育成支援をしている中で、ロジカルシンキングを教えることがあります。すると、研修を進めていく中で、どんどん差がついていく状況を目の当たりにしました。最終的には論理的思考力がより研ぎ澄まされる人と、さほど効果が上がらない人に2極化してしまいました。

 

なぜ、このような状態になるのか、自分のスキル不足を反省しながら、ロジカルシンキングがなかなか身に付けることができない背景を考えて見ました。

 

ロジカルシンキングができる人、そして仕事がデキる人の1,000人以上面談した記憶、そして今、そういう方に会ったときに観察し対話しながら、MECE、ロジックツリーをうまく使いこなせる人、すなわちロジカルシンキングができる人は、基本的に「分ける」ということを意識的に・無意識的におこなっている人ということに気がつきました。

ロジカルシンキング(論理的思考)と「分ける」技術の関係

ロジカルシンキングでは、まず分けるが重要

繰り返しになりますが、ロジカルシンキングでは、

  • MECE(もれなく・だぶりなく)
  • ロジックツリー(樹形図)

という考え方を学びます。

 

全体を把握しながら、もれなく・だぶりなく要素に「分ける」というMECEの考え方を前提に、ロジックツリーを使って、いくつかの要素を「分解」したり、原因分析や課題解決を見える化していきます。

 

つまり、「分ける」作業をおこなっているのです。

 

この「分ける」作業ということは、実はロジカルシンキングを学ばなくても、日常でおこなっている作業です。

 

日常業務で、「分ける」とは?

ロジカルシンキング(論理的思考)が身に付きやすい方が、日常業務を「分ける」でどのように使っているのでしょうか?

 

例えば、企画提案書を作成するという業務の段取りで考えてみます。

 

仕事の段取りでは、企画提案書の作成を任された場合、どのような手順で進めるか、「分けて」考えるのです。一例として、次のような手順を思い当たると思います。

  • 過去の企画書の確認
  • 企画コンセプト検討
  • 企画書の見出し作成
  • 想定質問の検討
  • 企画書の清書
  • 企画書のチェック
  • 上司へ提出

 

 上記の流れはもちろん一例ですので、正解・不正解はありませんが、段取りが上手な方は、ゴールから逆算して、どんな手順が必要かを考えて、行動することがあります。

 

残念ながら、「分ける」を意識できていない方は、細かく段取りを書き出せなかったり、本来10個あるような作業が2・3個程度しか書き出せない方が多いのです。

 

そのため、ロジカルシンキング研修で、論理的思考力が研ぎ澄まされる人は、日常業務で「分ける」を当たり前のように意識・実践しており、ロジカルシンキング研修を経て「分ける」力がより習得することができます。

 

しかしながら一方で、「分ける」ことを日常業務で意識していない方は、分けることに戸惑い(もしくは「分ける」ことをスルーして)、その結果として、ロジカルシンキングの勉強をしても使いこなせない、ロジカルシンキングができない状態になるのです。

 

 

 

ロジカルシンキング(論理的思考)を身に付ける前に、学ぶべき大切なビジネス・スキル

ロジカルシンキングができているイメージ

この「分ける」スキル自体は、上記の段取り以外でも、仕事において意識をすれば自然と身に付きます。

 

例えば、

  • 事実と意見を分けて話す
  • 伝えたいことを3つに分けて話す
  • 机の片付けで「よく使うもの」「たまにしか使わないもの」「不要なもの」に分ける
  • 1日の仕事のスケジュールを時間を区切って(分けて)考える
  • 仕事の段取りを「準備」「実行」「後処理」で分けて、TODOを考える

などです。

 

つまり自分の頭のタンスを整理整頓できているどうかどうかなのです。

 

それを実践できている人は、ロジカルシンキングの習得は早くなります。

 

参考までに、この「分ける」というものは、仕事の手順だけでなく、

  • 情報:自分が見聞きした情報
  • 発言:自分の言いたいこと
  • 思考・視点:自分の考えている内容・見方
  • 活動・アクション:ゴールに向かった行動
  • 対応:相手の性格・思考特性
  • 時間・スケジュール:自分の時間の使い方
  • 役割:自分や周りの人の役割
  • 問題が発生した原因:複数の原因が絡み合った問題

 

などを整理したりする時にも、「分ける」という意識で仕事を進めていくことは重要です。

 

 

話をロジカルシンキングに戻しましょう。

 

そもそも、ロジカルシンキングの研修を受講したり、ロジカルシンキングを学ぶ目的は、

 

(1)誰かに説明・説得・提案する場面

(2)何かの問題を解決する場面

 

であり、論理的思考を使って自分の説明や問題解決において妥当性・納得性を高めるためです。これは、自分の考えを分けて、頭のタンスに整理整頓できていないと、相手にうまく伝えることができません。

 

そこで、当社ではロジカルシンキングを仕事に活かすための第一歩として、この「分ける」スキルは仕事力全般を引き上げる、仕事の「知られざる」土台(ベース)となるスキルだと考えています。

 

ロジカルシンキングが苦手な方、仕事への活かし方がピンと来ていない方は、一度「分ける」を意識してみると変わっていくと思います。

 

「分ける」技術に関心がある方は以下の書籍・研修をご案内します。

 

関連書籍のご案内

 

大企業・中小企業・行政関係者など業界・職種問わず1000人以上のビジネスパーソンと面談して、見えてきた仕事がデキる人のコツ。「分ける」たったこれだけで、周りの評価が一変します。

 

フォレスト出版より出版しています(2022年1月13日)。

https://www.amazon.co.jp/dp/4866801476/

 

・いつも仕事が時間通りに終わらないので残業や休日出勤が多い

・うっかりミスや見落とし、やり直し、上司からのダメ出しが多い

・仕事の段取りを組んだり、計画を立てるのが苦手

・上司や取引先から「何を言いたいのかわからない」とよく言われる

・トラブルが起きると頭の中が真っ白になってどうしたらいいのかわからなくなる

など、 本書はこのような仕事の「できない」をなんとか解消したいと日頃からお悩みの若手ビジネスパーソンの皆さま、そしてそうした部下をお持ちの管理職の皆さまへの処方箋です。

 

仕事の成果は、頭の良し悪し、センス、才能ではなく、「分ける」かどうかで決まるのです。

 


 

 

■関連研修のご案内

 

働き方改革などで上司・部下の労働時間も以前よりも減っている現実。以前は量(時間)をこなして、質(品質)を追求できた時代から、量を減らしながら、質を追求する時代になっていきます。

 

しかし、上司が教える時間・部下が働く時間も減っている中で、部下が育たないから結局、管理職が仕事を抱えるという実情をお伺いすることもあります。

 

当社では、この分ける(分割・分解する)に着目した研修(講師派遣型)をおこなっています。上司の教え方にバラツキがある、若手社員がなかなか育たないという企業に向けた、上司と部下が共に学ぶ教え方・学び型研修です。

 

ロジカルシンキングだけでなく、働き方改革・生産性向上の取り組みにも通じる研修です。

 


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