「もっと収益を伸ばしたい」
「自社のブランドをもっと広めたい」
と考えている中小企業の経営者の方も多いのではないでしょうか。
そんな企業に当社が提案したいのが「知的資産経営」です。
知的資産経営とは、簡単に言うと「お客様から選ばれる理由づくりをする経営」のことです。
これを重視した経営をおこなうことによって、
・売上の上昇
・ブランドの認知
・社員のモチベーションアップ
などが期待できます。
そこで今回は、知的資産経営の解説と、それをおこなうための方法をご紹介します。
「知的資産」というと、「あまり聞いたことがないな…」と感じる人の方が多いかもしれません。
知的資産とは、「目に見えない資産」のことを指します。
「じゃあ、知的財産と一緒じゃないの?」
と疑問に思う方もいるでしょう。
知的財産は、
・特許
・ロゴなどのデザイン
・ネーミング
などを指します。
それらに加えて、知的資産では
・人材
・技術
・経営理念
・人脈
など、知的財産よりもいっそう「目に見えない資産」も含みます。
そのため、知的資産と捉えられるものは、かなり幅広いジャンルに渡ってあります。
たとえば、あなたの会社のお客様とのネットワークも、知的資産と言えるでしょう。
そして、それらを活用する経営のことを「知的資産経営」と呼びます。
どのような知的資産を持っているかは企業によってさまざまです。
働いている人やお客様、経営理念や生産技術が全く同じ、という場合は無いでしょう。
そのため、
・その企業の知的資産は何であるか
・その知的資産を経営に生かすにはどうすれば良いか
を考えることによって、その企業の独自性が強くなり、他社との差別化を図れるのです。
これにより企業のブランディングができ、「お客様から選ばれる」ようになるでしょう。
また、知的資産経営を実践することにより、
「A社よりも安くできます!」
「それならB社よりも安くします!」
といった価格競争から抜け出すことも見込めます。
「知的資産経営のことはわかったけど、具体的にどうすればいいの?」
と感じている方もいるでしょう。
その方法は具体的には以下の通りです。
各項目を見ていただければわかると思いますが、全てに「強み」というワードが入っています。
それほど知的資産経営にとって、自社の強みを理解することは大切なのです。
知的資産経営は、「強みを生かす経営」とも言い換えられるかもしれません。
それでは、それぞれの項目について解説します。
「あなたの会社の強みは何でしょうか?」
「あなたの会社がお客様から選ばれる理由はなんでしょうか?」
この問いに即座に回答できる場合は、自社の現状と将来を描けていらっしゃる経営者かも知れません。
一方で、「えーと…」と戸惑ってしまう場合は、自社の強みを発見するワークをすることをおすすめします。
何を強みと考えるかは、人によります。
明確な指標がない場合は、「同じ業界でトップ10に入る要素」と定義して考えてみると良いでしょう。
「その要素がわからない…」というときは、「大阪府の○○業界でトップ10に入ること」というふうに、地域を狭めて考えてみることをオススメします。
「自分たちだけじゃ、強みの見つけ方がわからない」
という場合は、お客様の声を活用することを重要です。
このお客様の声こそが自社が選ばれる理由を導き出す1つの方法です。
当社では「強み=お客様に選ばれる理由」と捉えています。
あなたの会社に強みがあったとしても、それがお客様に伝わっていなければ、強みが無いのと同じことかもしれません。
そのため、強みをPRすることも念頭において経営をおこなう必要があります。
例えば、自社のホームページには、強みが前面に出たデザインになっているでしょうか?
それとも、住所や連絡先、取り扱い商品が並べられているだけの、簡素なデザインとなっているでしょうか?
最近はインターネットを使い、商品やサービスを探すお客様が増えています。
そのため、パンフレットだけでなく、ホームページのデザインなども見直すことも重要です。
選ばれる理由をしっかり伝えて、PR・営業・リピーター作りをおこなう取り組みが重要です。
ビジネスの世界は日進月歩です。
「自分たちの商品やサービスはスゴイものだ」
と自信を持つことは大切です。
しかし、そう思い過ぎて、その強みを進歩させることを怠っていたら、「いつの間にか競合に抜かれていた…」という事態に陥るかもしれません。
そのため、
・ほかの企業がどのような動きを見せているか
・これからどのような技術ができそうか
といったことを日々考えながら、強みを鍛えていくことが大切です。
「どのようにしたら、よりお客様に喜んでもらえるか?」
「どのようにしたら、お客様に選んでもらえるか?」
を常に頭に置いておくことが大切です。
業務などで、「その人しかその仕事ができない」状態に陥ることを「属人化」と呼びます。
属人化が起こると、もしその人が退職・休職してしまった場合、経営が滞ってしまいます。
特に経営者やベテラン社員がその強み(お客さまに選ばれる理由)を持っていることなどよくあります。
そのため、強みを引き継ぐことが大切です。
なお、これは強みだけでなく、事業の承継においても重要なことです。
個人のノウハウは、会社のノウハウとして浸透させることが大切です。
社内で勉強会を開くのもオススメです。
社内で自社の強みが共有されることにより、社員も会社に誇りを持てるため、モチベーションアップにも繋がります。
時代は刻々と変化します。
その変化に応じて、強みを考え直すのも、知的資産経営の方法の一つです。
たとえば、無印良品では当初「安く良いものを提供する」ことをコンセプトとしていました。
しかし、大量消費社会の背景を受けて、商品を「エンプティ=空っぽ」をテーマにしたデザインに刷新しました。
その結果、国内外での業績を急激に伸び、「ムジラー」と呼ばれる無印良品の愛好家も出て来始めたのです。
また、新規事業の立案も視野に入れても良いかもしれません。
ウェットスーツの製造をしていた会社が、その素材で「柔らかい湯たんぽ」を開発し、累計30万個売り上げたというケースもあります。
このような強みの考え直しをするには、時代や社会の変化を見極める力が必要です。
時には、業界以外の話も聞き、時代の変化に気づくよう心がけることも大切です。
「自社の強みが見当たらない…」
「事業が停滞気味だ…」
という場合、「強みを創る」ことを検討してください。
停滞している現状を打破するには、新たに強みを創り出すことが有効です。
「お客さまが他社ではなく自社を選ぶには、どんな強みを創る必要があるだろうか?」
と問いかけることが時には重要です。
実際の経営コンサルティングにおいても、この視点で現状をお伺いし、戦略を立てていくことが多いのです。
今回は、知的資産経営と、それをおこなうための6つの方法をご紹介しました。
企業の状況によって、取り組む内容がバラバラだと思います。
どこからやっていいか分からない場合は、まずは1の強みに気づくから実施することをオススメします。
その際には、お客様が他社ではなく、自社を選ぶ理由はどんなところにあるのだろうかと考えることが重要です。
それを常に考えることが、変化する時代を生き抜くための条件の一つなのです。
強み(=選ばれる理由)についてもっと知りたい場合は以下のコラムでご紹介しています。
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